全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】中野剛志

全国民が読んだら歴史が変わる奇跡の経済教室【戦略編】 中野剛志 2019年 KKベストセラーズ


貨幣の新常識第二弾 平成の日本の経済政策を異端の官僚が両断



異端の官僚シリーズ第三弾、奇跡の経済教室の第二弾となります。著者はおなじみ中野剛志氏で、前著の基礎知識編から話は具体的な日本の経済政策の批判に移ります。前半で、基礎知識編のおさらいをしてくれるので、本作だけでも話の概要はつかめます。平成の時代に、日本が行ってきた自由化、民営化などの規制緩和政策によって、日本はデフレ不況を脱せないまま令和という新たな時代に突入しました。日本がこれまでおこなってきたムチ型の成長戦略やその根底にあるもの、官僚の性質の変遷とその問題点、さらにMMTについての中野剛志氏の評価、解説も特別付録と入っており必読です。



 さて、ここ3週間は中野剛志氏の本を紹介してきましたが、私が氏を取り上げたのには単純な理由があります。中野氏は今の日本に圧倒的に足りていないまともな論客、批評家であるからです。今の日本には代議士、大学教授、評論家などあらゆるタイプの論客が存在するがだれも今の政権の政策の根底にある考えについて批判していません。我々にはその場その場の政策批判だけでなく、その背景にあるものまで見通し批判する力が求められている。この本がその一助となれば幸いです。

※画像はAmazonから引用

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