対中国包囲網と日本の中国依存

イギリスがファーウェイの技術を拒否することを決定


こんにちは、コームナタ編集長akiです。


今回紹介するニュースはこちらです↓

Huawei 5G kit must be removed from UK by 2027
https://www.bbc.com/news/technology-53403793



あまり日本で取り上げられるようなメジャーな国際ニュースを取り上げることは少ないのですが、今回はイギリス政府が中国の通信機器大手・華為の5G技術の使用を2027年までに停止することを決めたというニュースを取り上げます。イギリス領であった香港に対して北京政府が強硬な措置をとったための報復ともとれるこの措置ですが、それ以上に様々な広がりを持つ決定だと考えます。



1.ヨーロッパ圏への華為の進出は止まる可能性が高い。

アメリカが昨年より華為の製品を締め出し、副会長の逮捕にまで及んだのは周知の事実ですが、その裏でEU圏では新商品の発売が行われていました。しかも新商品の発売は日本よりも早いタイミングでした。華為の技術がそれだけヨーロッパ圏で受け入れられていることを示すのではないかと私は考えていました。


イギリスはEUを離脱していますが、アメリカなどの再三の説得も気にすることなく華為の5G技術を英国内の5Gネットワークのほとんどに使うことを決定していました。おそらくヨーロッパ圏の中でも最も華為の技術に好意的だったのはイギリス政府なのではないかと思います。そのような状況下で、イギリスも華為の技術を締め出すことを決めたことには大きな意義があります。

今後5G以外の部分(スマホの販売など)では華為の技術を認めるのか、それとも端末の販売等も全く認めないのかということろも注目であり、まだまだ目が離せない状況です。





2.華為が儲からないと日本企業は困るのではないか。

そして、欧米で強まる「脱・華為」によって間接的に困難に直面する可能性があるのは、実は日本企業ではないかと私は考えています。


というのも、日本には華為のスマートフォンの部品を輸出している企業があります。それも中小企業ではなく、京セラやパナソニックといった大企業も含まれます。さらには、華為を含めた中国の通信機器メーカーと日本の大手通信機器メーカーは共同で5G技術の開発をしたという経緯もあります(「5G標準仕様策定が完了」京セラHPより)。この中には、ソフトバンクやKDDI、NTTドコモなどの名前もあります。

日本では今年からやっと5Gが地域限定で始まったところですが、すでに中国では主要都市のほとんどで5Gネットワークが整備されています。日本にとってこの協力はかなり重要だったのではないでしょうか。


これらの企業は昨年のアメリカ政府の措置で戦々恐々の状況になりました(2019年5月16日 時事通信)。結局日本政府が(少なくともあからさまには)アメリカ政府に追従することがなかったので、まだ致命的な打撃を受けてはいないのではないかと推測されます。おそらく日本政府も、このあたりの日本企業と華為との事情を考慮してそのような行動をとったのだと考えられます。



しかし、華為に対して好意的だったヨーロッパ圏にも「脱・華為」の動きが広まっていくと話は別です。日本政府も今のままではいられない可能性も出てきます。近い将来、「華為と関係を切らないということは我々の敵ということで良いのか」と欧米諸国から突っ込まれる可能性も否定はできません。

対中国に強硬な姿勢をとる欧米と、中国経済に依存してきた日本。現在の状況は、日本にとって決して手放しで喜べるものではないのです。


お読みいただきありがとうございました。

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